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種もみを作る
今のお米作りでは、農協などから苗を買ってきて田植えに使うというのが主流になっています。しかし、私たちは前年に穫れたお米から、さらに翌年のお米を作るようにしています。これは、自分たちが作ったお米は、昔ながらの農法を守りながら、その連鎖をつなげていきたいというこだわりからです。 したがって、お米の収穫が終わると、農作業は一息つける……と思われがちですが、実は次のシーズンの準備は静かに始まっています。 特に大切なのが、前年に穫れたお米を「種もみ」として使うための準備です。そのまま蒔けば芽が出るというわけではなく、元気な苗を育てるためには、いくつかの丁寧なステップが必要になります。 1. のぎとり:機械と手作業で整える まず最初に行うのが「のぎとり」です。 「のぎ(芒)」とは、種もみの先についている細い毛のようなものです。これが残っていると、水に簡単に浮かんでしまうため、次の工程で行う「塩水選(塩水に浸けて良質な種もみを選別する)」がうまくできません。 私たちは、この作業に専用の機械(脱芒機)を使っています。機械を通せば一瞬のように思えますが、実は丁寧さ
editor888
6 時間前読了時間: 4分


苗を作る「育苗」
美味しいお米づくりの第一歩は、元気な苗を育てることから始まります。「苗半作(なえはんさく)」という言葉がある通り、お米作りの成否の半分は、田植え前の苗の出来栄えで決まると言われています。私たちが毎年、どのような工程を経て種もみから苗を育てているのか、その裏側にある細かな管理と日々の仕事をご紹介します。 1.催芽(さいが):種を一斉に目覚めさせる まずは、事前に数日間水に浸して十分に吸水させた種もみを「発芽器」に入れます。発芽器とは、温度と湿度を一定に保つための設備です。種もみはそれぞれ個性があり、自然に任せるだけでは芽が出るタイミングにバラつきが生じてしまいます。 これを一定の温度(およそ30℃前後)で保温することで、すべての種もみに「今が芽を出す時だ」と一斉にスイッチを入れさせるのがこの工程の目的です。 2.種まき(播種):精密な作業が求められる土台づくり 催芽を終えた種もみは、いよいよ「種まき機」を使って育苗箱にまいていきます。ここは機械の力を借りますが、その調整には経験が求められます。 育苗箱がベルトコンベアの上を流れる間に、「床土(とこつ
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6 時間前読了時間: 3分


田植えから除草まで
「神の米」と呼ばれるイセヒカリ。その強い生命力を最大限に引き出すために、私たちは一つひとつの工程に時間をかけ、丁寧に向き合っています。今回は、田んぼに苗を植えてから、夏にかけての最も大切な「除草」までの様子をご紹介します。 1. 田植え:いよいよ始まる、一年の歩み 育苗機で健やかに育った苗を、本田(ほんでん)へと移す「田植え」。 最近では田植え機を使うのが一般的であり、作業自体に目新しさはありませんが、私たちにとっては特別な日です。 水鏡となった田んぼに、青々とした苗が整然と並んでいく光景を見ると、「いよいよ、今年も始まった」という心地よい緊張感と高まりを感じます。この小さな苗が、秋には黄金色の稲穂となり、やがて日本酒「竹斉」へと姿を変える。その第一歩となる大切な節目です。 2. チェーン除草:先手必勝の「初期対策」 田植えが終わって一息つく間もなく、約3日後には「チェーン除草」を実施します。 これは、パイプに何本ものチェーンを垂らした器具を田んぼの底に這わせ、泥の表面を軽く攪拌する作業です。 まだ草が目立たないうちに行うのは、理由があります。雑
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6 時間前読了時間: 2分


稲刈りと稲架掛け
秋、田んぼ一面が黄金色に染まると、いよいよ米作りの集大成である「稲刈り」の季節がやってきます。竹斉のお米作りにおいて、この収穫の工程は、現代では少なくなった「伝統的な風景」を大切に守りながら行われます。 1.稲刈り:効率よりも「質」 現代の稲作では、刈り取りから脱穀(お米を籾の状態にすること)までを一台で完結させる「コンバイン」という大型機械が主流です。しかし、私たちはあえてコンバインを使いません。 私たちが手にするのは、稲を刈り取り、束ねるところまでを行う「稲刈り機(バインダー)」です。なぜ、あえて手間のかかる方法を選ぶのか。それは、この後の「稲架掛け(はさがけ)」という工程を何よりも大切にしているからです。 2.稲架掛け:逆さに吊るして、旨みを熟成させる 刈り取ったばかりの稲の束は、一つひとつ自分たちの手で、竹や木で作った棚に逆さまに吊るしていきます。これが「稲架掛け」です。 最近では乾燥機を使って短時間で乾かすのが一般的ですが、稲架掛けは、秋の穏やかな風と太陽の光を浴びながら、約2週間から3週間かけて「自然乾燥」させます。...
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6 時間前読了時間: 2分


脱穀と精米
お米の生命力を、そのままお酒の力へ 秋の風に揺られ、太陽の光を浴びて熟成した「稲架掛け(はさがけ)」の稲。いよいよ最後の手仕事として、お米を一粒一粒の輝きへと変えていく「脱穀」と「精米」の工程を迎えます。 収穫の喜びを噛みしめる「脱穀」 乾燥が終わった稲を脱穀機にかけ、籾(もみ)を取り出していきます。 機械を通るたびに、さらさらと音を立てて集まってくる黄金色の籾。 一粒一粒に、春からの泥まみれの作業や、夏の暑さ、秋の風が詰まっています。この瞬間は、何物にも代えがたい収穫の喜びを感じる時です。 90%精米:あえて「削らない」という贅沢 こうして収穫された大切なお米は、いよいよお酒造りのための「白米」へと精米されます。ここで、竹斉の大きなこだわりがあります。 一般的に、高級な日本酒(吟醸酒や大吟醸酒など)は、お米を半分以上(精米歩合50%以下など)まで深く削り取ります。お米の外側にあるタンパク質や脂質を削り落とすことで、雑味のない、華やかでスッキリとした味わいを目指すのが現代の主流です。 しかし、竹斉の精米度は「90%」。つまり、お米の表面をわずか1
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6 時間前読了時間: 2分


人間の手による製麹
酒造りにおいて、お酒の味を左右する最も重要な工程と言われる「製麹(せいぎく)」。 竹斉では、効率を優先した機械による管理ではなく、あえて人の手による「箱麹法(はここうじほう)」という伝統的な手法を貫いています。 麹菌という「生命」と向き合う 麹造りは、蒸し上がったお米に麹菌を根付かせる繊細な作業です。麹菌は生き物であり、その日の気温や湿度、お米に含まれるわずかな水分量の違いによって、刻一刻とその表情を変えます。 機械であれば一定の数値で管理できますが、私たちは自分たちの**「五感」**を信じています。お米に触れたときのしっとりとした感触、立ち上る香り、そして麹が熱を発する際の微妙な変化。これらを肌で感じ取り、小さな木箱(麹箱)の中で丁寧に、優しくお米を動かしていきます。 「箱麹法」という究極の手仕事 「箱麹法」は、一度に扱える量が限られ、非常に手間と時間がかかる手法です。しかし、小分けにされた木箱の中で作業することで、お米一粒一粒の温度を細かく、そして精密にコントロールすることが可能になります。 数時間おきに麹室(こうじむろ)へ足を運び、麹の状態
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6 時間前読了時間: 2分


未来に向けた酒造り
「お米は磨けば磨くほど、雑味がなくなり綺麗なお酒になる」 それがこれまでの日本酒造りの常識でした。しかし、竹斉が挑んでいるのは、その真逆とも言える「精米歩合90%」の酒造りです。 削らないからこそ残る「命の力」 精米歩合90%とは、玄米の表面をわずか10%しか削らないということです。 お米の表面付近には、ビタミンやミネラル、アミノ酸といった多くの栄養素が含まれています。これらを削ぎ落とせば確かに「綺麗」にはなりますが、同時にそのお米が本来持っていた「生命力(エネルギー)」や、大地の豊かさを感じさせる「複雑な旨み」まで消えてしまいます。 私たちは、お米が持つポテンシャルを丸ごと瓶の中に閉じ込めたいと考えました。一口飲んだ瞬間に、田んぼの風景が浮かぶような、お米そのものの力強いエネルギーを感じていただくための「90%」なのです。 「磨かない」という、最も贅沢で困難な道 実は、お米を磨かない酒造りは、磨く酒造りよりもはるかに高い技術を必要とします。 削っていないお米は、吸水が難しく、放っておけば雑味ばかりが際立ってしまいます。ここで活きてくるのが、先に
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